2011年7月28日木曜日

英語でのコミュニケーション:英国で働くということ


好評の連載シリーズ(笑)、今回は、英国で英語を使って働くということについて書いてみようと思う、、
英国で働くこと、特に、ロンドンで働くということは、英語という共通言語を使って、世界各国の人達と仕事をする、ということだと思う。
もちろん、職種にもよるけど、私の場合は、職場において、クライアントさんや取引先の中で、英語を母国語とする英国人の割合は、半分くらい、、もしかしたら、半分以下かも。
Multicultural(多文化主義)と言われるロンドン社会で、私も、第二言語の英語で仕事をしている多くの人達のひとり。
最近だと、中近東、ロシア、アフリカからのクライアントさんが増えてきた。
普段は、イタリアを筆頭に、ドイツ、オランダ、デンマーク等の取引先と日常的にやり取りをする。
こっちで、私のパートナーとして仕事をしている施工業者さんは、リトアニア出身。
彼のアシスタントは、全員が旧ソビエト連邦の出身、、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどなど、、彼らは、共通言語であるロシア語でやり取りをしている。
こういった環境の中、私が普段気をつけてることは、シンプルな英語で明確なコミュニケーションをとる事。
特に指示を与える場合は、とにかく短い文章で、一般的な単語を使うように心掛けている。
今日も、ドイツの業者さんとちょっぴりコミュニケーションに引っかかった、、フランス語圏担当のドイツ人の取引先の女性が、同僚のピンチヒッターで、私に電話をしてきた、、フランス語ほど英語は流暢でないらしく、英語が上手に話せない事を謝りながら、ゆっくり喋る、、必死な表情が電話越しに見えそうだった。
お互い、行き詰まったら、会話を巻き戻し、また話して、また巻き戻し、、簡単な確認をするのに20分くらい電話で話した。
最後に、彼女は、Everything is OK!と言って、笑って電話を切った、、こういったやり取りはいつものこと。
私にとって、コミュニケーションに於いて大切なことは、相手に対してリスペクトを持って接すること、、リスペクトがあれば、言語の壁も超えることができると思う。
決して容易なことではないけど、世界各国とのコミュニケーションも、ロンドンで仕事をする醍醐味のひとつだと思う。

PS 写真は、ユーロスター発着駅、セント・パンクラス駅にて。

2011年7月26日火曜日

ようやく1周年


ブログを開始してから、ちょうど1年が経ちました。
文章を書くのが苦手な私が、ブログをおそるおそる始めたのが1年前、、なんとかまだ続いていています(笑)
私の頭の中を巡る思いや情報を文章にすることが、私の日常になりつつあります。
この間、読者の方からコメントやメールを頂き、パソコンの向こう側にこのブログを楽しみにしてくれている人がいるんだと、大いに励まされました。
また、家族や友人に、「ブログ読んでるよ!」と言われるととにかく嬉しいです。
写真は、前回、帰国した際に訪れた、福岡櫛田神社のイチョウの木。
博多祇園山笠は、ここ櫛田神社の奉納祭事のひとつ。
樹齢1000年以上のこの木を眺めながら、私が普段色々と思い悩んでいることなんか、とてもちっぽけなことに思えた、、とにかく、なんでも続けて頑張ってみようと!
これからも、designbeelondonブログを宜しくお願いいたします。

2011年7月19日火曜日

英国キッチンメーカー:Plain English


ちょっぴりキッチンネタを。
私は、普段は、モダンなキッチンを担当している、、超がつくらいモダンでシャープなキッチンを手掛けることもしばしば。
英国で、システムキッチンといえば、ドイツもしくはイタリアメーカーが優勢だけど、英国製キッチンメーカーの需要も結構大きい、、いわゆるカントリースタイルのキッチン。
最近、インテリアデザイナーさんや、建築家からよく聞くメーカー、それが、英国メーカー、Plain English


カントリースタイルながら、デザインはとても洗練されている、まさにクラシック・モダンと言った感じ。
他のカントリー・スタイルのキッチンメーカーよりも、装飾をかなり削り取っているし、レイアウトもかなりシンプル。
色合いは、まさに英国な、Farrow & Ball なテイスト、、こういったちょっぴり鈍い中間色が、今の英国でとても流行ってる。
経済状況の厳しさに比例して、人って、インテリアに、こういった柔らかい色だったり、フォルムに曲線を求めたりするんだと思う、、


全て英国製でハンドメイド、お値段は、600万円から。大きなキッチンだと、1000万円近くはいくんだと思う。
Boffiやbulthaupほどのトップな金額ではないけど、英国ではトップ・エンドのキッチンメーカー。
ショールームが、トレンド発信地のイーストエンド、Shorditchにあるのも興味深い。
ちなみに、Plain Englishとは、まわりくどい言い方を避け、シンプルな表現で、明確に伝わる英語のこと。
カントリースタイルがあまり好きじゃない私も、Plain Englishのキッチンはお家に欲しい、、私のカントリーハウスに、なんちゃって。
こんなキッチンで、のんびりスコーン作りに励んでみたい!

2011年7月17日日曜日

EYEWITNESS 写真展


週末ももうすぐ終わりか、、今週もロンドンはやっぱり天気が悪かった、、雨、雨、雨。
雨にも負けず!と、昨日は、ロイヤル・アカデミーで開催中のハンガリー出身の写真家の展覧会「EYEWITNESS」を観に行ってきた。
バラサイ、ロバート・キャパなど、、戦争で祖国を追われ、世界各地に飛び散った才能、、彼らは20世紀の写真文化に大きな影響を与える。
パリの街角で愛しあうカップル、家族と寛ぐシャガール、ハンガリーの出稼ぎ労働者の日々、ドイツ兵の子供を身ごもり、街中で観衆に去らされるハンガリーの女性、、どの写真も胸に響いた。
一番好きだったのは、ポスターの写真、、この構図の切り取り方はまさに感性だなぁ。
あと、最近、自分が、リアリズムの芸術作品に興味が向いていることがわかってきた。
写真とは、日常・非日常を写真家の視点で切り取った芸術作品であること、、今回の展覧会を観てあらためて感じた。
10月まで開催のこの展覧会「EYEWITNESS」、本当にお薦めです。

2011年7月16日土曜日

美しい光


昨日は、仕事帰りに、近所のパブでビル夫と待ち合わせ。
パブの一部はタイ料理のレストランになっている。
金曜日の夜に、料理をする気力はなかったし、久々にゆっくりビル夫とパブで話をしようと思って。
自宅から歩いて数分のこのパブ、高級紙タイムズが選ぶ、ロンドン歴史的パブのトップ10に入ってる、、
一見、フツーなパブなのだけど、1909年に、当時活躍していた建築家、Nowell Parrによってデザインされたもの。
エドワード調の貴重な外観、内装として、よくテレビや映画の撮影がこのパブで行われている。


レストランに入ると、電気がほとんどついてなく、とても暗かった、、
暗すぎるんじゃないか、と思いつつ、メニューを見ているうちに、だんだんと暗さに目が慣れてくるとともに、目の前のステンドガラスから、美しい光が差し込んでいた、、
このアート・ヌーボースタイルのステンドガラスも当時のまま、、心地よい風を感じながら見たこの光、、きっと100年前もこうだったんだろうな。
レストランは大賑わいで、サービスもとても良かった。
いい週末のスタートとなりました。

2011年7月14日木曜日

今週、、



あぁ、ようやく明日、金曜日、、週末のいつもの出だしだけど、もう週末が待てない。
今週は、水曜日に、もう一週間分の仕事を終えたように思えた、タフ・ウィークでした。
つくづく思うけど、英国ってプロジェクトが全くスムーズに進まない!
日本の常識では考えられないような事態が勃発するし!
クライアントさんの対応に追われていました、、それが今週の初めのあたり。
ただ、週半ばからだんだんとプレッシャーから解放されていった感じ、、ふぅ。
嬉しかったニュースは、私がデザインしたキッチンが、英国デザイン誌idfxに特集として、掲載することが決まったこと。
専門誌になるけど、質の高い記事で有名なidfx誌、、原稿を見せてもらったけど、ページ1枚たっぷり特集を割いてもらってます。
また、業界誌KBBに、もうひとつ私のデザインが、ケーススタディーとして、掲載される予定、、PR担当曰く、96%の可能性で(笑)
今日は、ジャーナリストさんへの質問に答えたり、顔写真を送ったりと、ちょっぴり忙しかった。
もうひとつ、英国インテリア誌House & Gardenの今秋号に、私のキッチンの掲載が決まったこと!
House & Gardenは、英国インテリアデザイン誌の中でも有力誌なので、ちょっとした達成感あり。
Colourful Kitchenという特集記事に組み込まれる予定で、小さな記事としての掲載になりそうだけど、私としては十分満足。
ただ、この仕事をしていて何より一番嬉しいのは、クライアントさんからハッピーなコメントを貰うこと。
今週は、2人のクライアントさんから、コメントを貰い、疲れも一気に吹き飛んだ!
今週あと1日、頑張ろう!

2011年7月9日土曜日

Valentino: The Last Emperor


昨日、素晴らしドキュメンタリーを観た、、Valentino: The Last Emperor
2008年にファッション人生に幕を閉じるまでの、ファッションデザイナー、ヴァレンティノのクリエイティビティーの裏側に迫った作品。
美を追求して、妥協を許さないヴァレンティノ、その彼を、恋人として、またビジネスパートナーとして、学生時代に出会って以来、50年間支えるGiancarlo Giammetti。

左:Giancarlo 中央:Valentino

短気で気難しいヴァレンテノを、裏方として徹底的にサポートするGiancarloの姿に感動した、、
キャリアの集大成であるファッションショーで、涙ながらに観衆に手を振るヴァレンティノが前を通ると、Giancarloはキャットウォークに駆け上がり、互いに固く抱きしめあう、、
ヴァレンティノというブランドは、2人の合作であるということ。
常に完璧なスーツを着こなすヴァレンテノ、ファッションショーのお祝いにアルマーニから送られた真っ白なバラの花束、愛犬パグの溺愛ぶり、、本当に興味深かった。
英国在住の方は、BBCのiPlayerで観ることができます。
母に是非見せてあげたい作品、、日本でもDVD購入できるのかなぁ。

2011年7月3日日曜日

BBQ


昨日は、英国人とロシア人の友人夫妻のBBQパーティーに参加してきました。
ロンドン郊外の街、Readingにある彼らの自宅へ、イーリングから電車を乗り継いでなんとか到着。
前回、友人夫妻と会ったのは4年前、、仕事でくたくたの表情だった彼女を覚えている。
この前、妊娠したと聞いたかと思えば、今回は、その子がもう3歳になっていた、、時間が経つのって早いなぁ。
私たちが、一番に到着すると、ホストである友人が、ゆっくりBBQの火をおこし始めた。
手作りのホモス(ヒヨコマメのディップ)を食べながら、友人夫妻と近況報告していると、ゲストがどんどん到着、、6畳ほどの庭はいっぱいに。
たくさんの人に自己紹介して、たくさんの人と喋った今回のBBQ。
出会った人全員が、Genuineだった。
英国では、人に対して、Genuine(本物)という言葉を良く使う。
Genuineの反対は、Pretentious:カッコつけたり、威張ったり、自分を実際よりも良く見せようとする人。
ロンドンに住んでいると、そんなPretentiousな人によく会う、というかそんな人ばかり。
そんな中、昨日のBBQはとても新鮮だった。
皆、ストレートで、Politeで、色々な事に興味があって、お互いにリスペクトを持って話せる人ばかり、、たくさんのロシア人の人達とも話して、何人かと連絡先を交換。
ちょっとした発見だったのは、ビル夫のロシア文学の知識。
ビル夫は、とにかくいつも本を読んでいるけど、そんなにロシア文学に詳しいとは知らなかった、、一緒に話していた、文学少女なロシア人の女性も、かなり驚いていた。
爽快な気分になった今回のBBQ。
こういった人との出会いを大切にしていきたい。

PS 写真は、ビル夫の好きなロシア作家、アントン・チェーホフの本。
BBQの写真を撮り忘れたので、代わりに。