2011年12月27日火曜日

植田正治「僕のアルバム」


昨日は、久々に姉に会って、姪っ子のんちゃんと遊んだ、、
一緒におはじき遊びをしていて、「赤いおはじきを3つ下さい。」って言うと、可愛い小さな声で、「かしこまりました。」と言って、一生懸命おはじきを探すのんちゃん。
どんどん大きくなるのんちゃんを見て、確実に時間は過ぎているのだな、としみじみ。
帰国前から、姉にお願いして買ってもらっていた、植田正治の写真集「僕のアルバム」を受け取った。
姉の前で、写真集を見ながら涙が出そうになってしまった、、
写真家が、愛する人の写真を撮ると、なんでこんなに美しいんだろう。
お見合い結婚して間もない、19歳のあどけない妻の表情、子供が生まれてだんだんと母親の顔になってく姿、植田正治の為に、砂丘でおかしなポーズを取る姿、、
妻の写真以外にも、写真集には、植田正治が見た、日常の風景が盛り込まれている。
この写真集を見て、私は、いつも遠くを見ようとしすぎて、目の前の美しいものを見逃してしまっているんじゃないか、と思った。
次回、帰国した時には、鳥取にある、植田正治の美術館を是非訪れたい。
実際に人がどう生きてきたとか、庶民はその時代をどう見たのだとか、そういったリアリズムの部分にとても興味がある、、
また、姉夫妻から、木村 伊兵衛の写真集を、父からは、ユネスコ世界記憶遺産に登録された、山本作兵衛の炭鉱画の画集をプレゼントしてもらった。
まだまだ、見たい世界、知らない世界はたくさんあるな〜

2011年12月24日土曜日

メリークリスマス


明日は、いよいよクリスマス、、
今年のクリスマスは、地元の福岡でのんびりと過ごしています。
実は、ちょっぴり前に、一区切りをつけようと、5年間勤務した会社を辞め、冷静にこれからの自分を見つめ直すつもりが、ここ最近、かなり感情的にアップダウンしていました、、
そんな中、友人が言ってくれた言葉が、Always, remember that you are not defined by your 'job': 自分という人間は、「仕事」で定義されないということ。
この言葉で、だいぶ気持ちが楽になった、、
家族、友人、仕事仲間、とにかくこの期間にたくさんの人が、話を聞いてくれたり、人や仕事を紹介してくれたり、、本当に有難かった。
結局、休みを挟まずに、臨時の仕事が決まり、また、そこでとても面白いプロジェクトに携わることに。
来年は、まず自分をサポートしてくれた人たちに対して、ちゃんと恩返しができるような年にしたいな。
最後に、エリザベス女王に扮したPG TIPSのモンキーから、クリスマスのメッセージを。
みなさん、素敵なクリスマスをお過ごし下さい☆

2011年12月16日金曜日

Rostropovich: The Genius of the Cello




iPlayer / BBC4で、素晴らしいドキュメンタリーを見たので、ブログにアップします。
旧ソ連出身で、20世紀を代表するチェリスト、ロストロポーヴィチの人生を描いたドキュメンタリー、「Rostropovich: The Genius of the Cello」
政府から多大なる優遇を受け、ソ連を代表する音楽家として活躍していた中、ノーベル文学賞を受賞しながらも、国家反逆罪で逮捕されたソルジェニーツィンを自宅に匿ったことで、人生は一転し、国外追放される形で、英国に渡り、そのまま、アメリカに亡命。
英国に降り立った際に、憔悴しきった表情で「ソ連、そしてソ連の人々を愛している」と話した、ロストロポーヴィチの映像はなんとも忘れられない、、
激しすぎるくらい豊かな感情、それをチェロの声として、表現したロストロポーヴィチ。
もう、3−4回観てしまったこのドキュメンタリー。
ちょっと前に観たのだけど、ソ連の芸術への興味のきっかけを作ってくれました。
このドキュメンタリーを観て、もっと貪欲に、美しいものを見て、聞いて、生きていきたいと思った。
来年、そういった年にしたいな。

2011年12月10日土曜日

一目惚れ、、トナカイくん。


今日、友人とBayswaterに中華を食べにいったのだけど、その帰り道、このトナカイくんと目が合ってしまった、、ああ、一目惚れ。


だって、可愛すぎる、、
そんなわけで、袋に入ってこんな状態で、地下鉄にて、私と一緒に自宅に帰って来ました、、もう、みんなの注目の的!
トナカイくん、クリスマスが過ぎても一緒に過ごそうね。

2011年12月8日木曜日

HMS Oceanからメリークリスマス


クリスマス前に、とってもイギリスらしい動画を見つけたのでアップします。
HMS Ocean(イギリス海軍のヘリ空母)の部隊が、マライヤ•キャリーのクリスマスソング「All I Want For Christmas」 に合わせて出演する動画。
今年の4月に7週間の予定で、訓練航行に出発したHMS Ocean。
だけど、リビア紛争に伴い、国連の協力部隊として、7週間の航行予定が、7ヶ月になってしまった、、
このクリスマスソングの歌詞にあるように、彼らは、クリスマスには、プレゼントは何も要らなくて、とにかく愛する家族や恋人と過ごしたい、というのが一番の思いなんだと思う。
今週、長い任務を終えて、帰港するHMS Ocean。
ちょっとふざけた動画ではあるけれど、人生、笑うところはしっかり笑う、英国のユーモアたっぷりで、とても共感が持てた。
また、部隊にとって、こうやって一緒にひとつの事に取り組むのが、モラルの向上に必要だった、とのこと。
日本の自衛隊がこんなことするなんて、考えられないな、、動画の最後の最後がとってもいい感じです。

2011年12月4日日曜日

個人レッスン&サンデーロースト


クリスマスまで残すところ、あと数週間、、寒さも増してきて、街並もクリスマスイルミネーションでとても美しい。
今日は、インテリア分野のスキルアップをしようと、以前にもブログで書いた、バスルームデザイナーの友人に、個人レッスンをしてもらった。
友人とは言えども、ロンドンの著名インテリアスクールである、ケリー•ホッペンや、KLCで講師を勤める彼が、個人的に、こういった時間を費やしてくれるのは有り難かった。
デザインについてはもちろんのこと、予算の組み方や、デザイナーの責任の範囲など、本当に参考になるレッスンでした。


レッスンの後は、Chiswick にある、パブThe Roebuckでサンデーローストを一緒に食べた。
うん、ちょっと量は少なめだけど、ここのローストはとても美味しかった!
サービスも良かったし。
デザートは、ソルトキャラメルのアイスで締めくくり。
やっぱり個人レッスンっていいな、、聞きたい質問に対してずばり回答してもらえるし。
次回は、フォローアップレッスンとして、実際のプロジェクトをもとに、私がバスルームをデザインすることに、、頑張ろう!

2011年12月1日木曜日

ジェントルマンな英国人男性


さて、今回のブログのトッピックは何にしよう、、と思いつつ、以前から暖めていた、「英国人男性」について書こうと思います。
私も、英国人男性と結婚して、この国の男性がいいなぁ~、と思うこと、それは、女性に対してとても優しいということ。
私は、英国にしか住んだことがないので、他のヨーロッパの国、例えば、スペインやフランスの男性とは比較ができないけど、やっぱり、英国人男性は、ジェントルマンなんじゃないかと思う。
なにせ、レディース・ファーストのマナーがとにかく根付いている、、
生活のあらゆるシーンで、とにかく、女性を優先させたり、さっとヘルプしてくれたりする。
先日、なんとか乗れて3人のエレベーターに私が乗り込んだ後、縦にも横にも大きな男性が乗ってきた。
ドアは、彼の方にあって、同じ3階まで向かったのだけど、到着して、ドアを開ける場面になって、彼が、私の為に、ボタンを押してドアを開けていてくれる、、もちろんレディースファーストなんだろうけど、ドアと彼の間は、約60cmくらい、、よっこらしょ、とエレベーターを降りた私。
彼が先に降りる方が確実にロジカルなのに、このシーンでも、頑固なくらい、やっぱりレディース・ファースト。
電車やバスで、私と男性がほぼ同時期に乗り込もうとしても、男性は、まず立ち止まって、にっこり笑顔で「After you」っていわれるし、、いや通勤ラッシュで、笑顔すらないときも歩けど、やっぱり、レディース・ファースト。
昨日も、両手に荷物を持って、カフェに入ろうとして、重いドアを肩で開けようとしたら、「本当に重いドアですね」っとにっこり笑顔で、英国人男性がドアを開けてくれた、、
もちろん、そうじゃないシーンもあるけど、全体的にやっぱりジェントルマンだと思う。
あと、女性に重い荷物を持たせない、これも鉄則みたい。
ビル夫と結婚して以来、一緒にいる時は、重いものを持ったことがない、、ショッピングに行っても、私はハンドバックだけを下げて、残りの荷物はビル夫の担当。
それで、付いたあだ名が、「ドンキー・ビリー」、、イメージだと、ロバがたくさん穀物のバックを抱えさせられて、よたよた歩いている感じ。
写真は、私の中の究極の英国人ジェントルマン、映画「高慢と偏見」でコリン・ファースが演じる、Mr Darcey、、あぁ、地下鉄でMr Darceyに、「お先にどうぞ」とか言われてみたい!

2011年11月22日火曜日

オランダ建築・インテリアデザイン誌「EIGEN HUIS & INTERIEUR」


オランダ人の友人から、建築・インテリアデザイン誌「EIGEN HUIS & INTERIEUR」を見せてもらった、、
この雑誌を知るのは、今回が初めてだけど、かなりのクオリティーでとても良かった!
英国のインテリア雑誌だと、ケーススタディーは、だいだい3つとか、そんなもんだけど、この雑誌には、住宅のケーススタディーがとにかく盛りだくさん。
正直なところ、エディターさんのお薦め商品やトレンド予測よりも、何せ、実際のプロジェクトを見たい。
オランダのデザイン誌といえば、FRAMEが有名だけど、FRAMEに掲載されているプロジェクトはかなり尖がった、最先端を走るプロジェクトが多かった気がする、、
英国インテリア雑誌だけ読んでいると、ヨーロッパ大陸的なプロジェクト、オランダ、ドイツ、スウェーデンのプロジェクトに、なかなかお目に掛かれない。
記事は、全てオランダ語掲載で、基本的には、国内のみの販売みたい、、昨晩ネットで散々調べたけど、ロンドンでの取り扱い店を見つけることが出来なかった。
ちょうどのタイミングで、ビル夫が取材で、今、オランダ滞在中なので、最新号を買ってきてもらうことに!
そう、実は、ちょぴり前、私がデザインしたキッチンが、英国インテリアデザイン誌の10月号の表紙に掲載されました。
私の写真入りで、見開き2ページ掲載してもらって、同僚や業者さんから、「おめでとう!」と声を掛けられ、記事の事かと思って、「ありがと~」と言いつつ、実際に表紙になっていると知ったのは、月の20日を過ぎてから。
実家の両親に雑誌を送らなきゃ。

2011年11月19日土曜日

ロンドンの老舗書店「Foyles」 へ


あまり本を読まない私だけれど、急にインテリアデザインの本を探ってみたくなり、金曜日の仕事帰り、友人を誘ってロンドンの老舗書店「Foyles(フォイルズ)」 へ。
ああ、金曜日の夜にロンドンの中心地に繰り出すのって、本当に久々、、The Royal Opera House 前でバスを降りて、クリスマスモードで賑わう、コヴェントガーデンを抜け、トッテンナムコートロードにあるFoylesに向かう。
ロンドンで一番、観光客密度と空気汚染度が高いのがこの場所なのかも、、トッテンナムコートロードに来る度にいつも思う。
Foylesは、カリスマオーナーであった、Christina Foylesの呼びかけで1930年代に始まった、Foyles Literary Luncheonこと、文学ランチで知られる。
ロンドンの高級ホテル、The Dorchesterや、Grosvenor Houseで開催された、この文学ランチでは、食事の後、英国の政治や文学界を代表する、名だたる来賓が、選ばれた本への讃辞を述べ、また作家自身もスピーチを行った。
言ってみれば、かなりハイソなソーシャルクラブ、といったとこなのかな、、英国のインテリ文化の一役を担ったFoyles。
また、Christina Foylesがオーナーの時代は、本を出版社毎に陳列するという、ユニークなシステムだった、、ただ、ご想像のとおり、客は、本を出版社で探さない。
1999年にChristina が死去した後は、この不効率な陳列システムも廃止され、今では、他の本屋と同様に、カテゴリー陳列となり、店内もきれいに改装されたFoyles。
私は、学生時代、嘗ての、改装される前のFoylesに何度か行った事があった、、大きな古本屋のような、雑多な本の陳列で、店内も埃っぽかった印象がある。
英国人の友人が、「Foylesでは、欲しい本が絶対に見つからない!」嘆いていたのを思い出した。
ウィキピディアによると、80年代、当時、Foylesの向かいにオープンした、ライバル書店Dillons が、「Foyled again? Try Dillons」という広告を掲げたとのこと。
きっと、Foylesのファンは、「Foyled」されることを少なからず楽しんでいたんじゃないかな、、
今回は、インテリア関連の本を一冊購入、、そして、このFoylesのトートバックを見つけた、、カワイイ!
日本でこれを下げていると、ロンドン通っぽいかも、、散々迷った挙げ句に、結局買わなかったけど、私のお気に入りショッピングリストに追加!

2011年11月16日水曜日

RCA Secret ~ ポストカード・サイズの芸術


今週の金曜日、11月18日から、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)で、毎年恒例の「RCA Secret 」展が開催されます。
この展覧会では、著名なアーティストから、RCAの卒業生まで、有名・無名を問わず、様々なアーティストから寄付された、2000枚のポストカード・サイズのアートが一律45ポンドで販売されます。
Secretな理由は、購入するまで、どのアーティストの作品か明かされないこと。
今年の参加アーティストは、英国アート界を代表する、Tracey Emin, Anish Kapoor, Grayson Perryから、オノ・ヨーコやPaul Smithまで、、1人で、4作品まで購入可能。
私が学生時代だった時から開催されていて、今年で18年目の開催だそう。
我が家にも、ひとつ素敵な芸術作品を飾りたいな、、今週末はRCAへ!

2011年11月12日土曜日

ロイヤルアカデミー「Building the Revolution」展


自分への覚え書きとして、、ピカデリーにある、Royal Academy of Arts で展覧会「Building the Revolution: Soviet Art and Architecture 1915 - 1935」が始まりました。
ソビエト時代の、1922年〜1935年のロシア アバンギャルド建築、そして、ロシア構成主義に焦点を当てた展覧会。
最近、自分の中で、ソビエト時代の芸術にとても興味が湧いてきて、ちょうどのタイミングでこの展覧会の開催を知った。
時代が、どのように街の風景築き上げてきたか、実際のフォルムを創り上げる背景は何なのか、などなど、興味深々。
来年1月までの開催なので、ぼーっとしていたら、見逃してしまいそう、、絶対に観に行かなきゃ。

ジョージ・オーウェル ~ イギリスはおいしい



私は、読書が苦手、、だと思い込んでるふしがあるけど、文字からよりも、目や耳から物事を頭に取り入れる方が得意なんじゃないか、と思う。
だけど、私の事を理解してくれていてる読書家の、姉やビル夫が薦めてくれる本はいつも楽しく読んでいる。
ちょっと前になるけど、ビル夫が私にプレゼントしてくれた本、「In Defence of English Cooking」を紹介しようと思います。
英国を代表する作家で、ジャーナリストでもあった、ジョージ・オーウェルが、イギリス料理の美味しさについて書いたエッセイ、、言わば、英国版の「イギリスはおいしい」。
戦後の配給がまだ続いていた、1945年に書かれたこのエッセイでは、英国国民自身が、この国の料理はまずいと思い込んでいることへの、オーウェルの苛立ちから、英国でしか味わえない、郷土料理や、各地の食材や、料理手法に触れられている。
様々なじゃがいもの料理の仕方、スコットランドの伝統料理であるハギス、リンゴ品種、Cox’s Orange Pippin、などなど。
オーウェルが、エッセイの中で触れている、ブルーチーズのスティルトン(Stilton)は、私も、先週末、ワインと供に味わいながら、あまりの美味しさにあらためて感動した。
ゴルゴンゾーラやロックフォールとは、また違う美味しさで、クリーミー過ぎず、やや苦味があるスティルトンは、まさに英国を代表するチーズだと思う。


And yet it must be admitted that there is a serious snag from the foreign visitor’s point of view. This is, that you practically don’t find good English cooking outside a private house. If you want, say, a good, rich slice of Yorkshire pudding you are more likely to get it in the poorest English home than in a restaurant, which is where the visitor necessarily eats most of his meals.


このエッセイの中で、特に印象に残ったのが、上記のくだり。
ざっくり意訳すると、「外国からの観光客が、英国料理がまずいというのは、しかたがない。どうしてかというと、本当に美味しい英国料理は、家庭の外では食べる事はできないから。美味しい例えば、ヨークシャープディングは、観光客が訪れるレストランではなく、ロンドン東部の貧しい家庭で食べることができる、、」
ヨークシャープディングとは、ロースト料理に添えられる甘くないシュークリームの皮のようなもの。
このエッセイが書かれてから、60年以上も経ち、英国食事情もだいぶ変わったけど、私は、今でも、オーウェルが言うように、一番美味しい英国料理は、家庭料理なんじゃないかと思う。
とても、短いエッセイで、「In Defence of English Cooking」にリンクを張っているので、是非読んでみてください。

2011年11月5日土曜日

とうとう、ヒュー・グラントが、、


そう、とうとうヒュー・グラントがパパになった!
私の中では、かなりのビックニュース、、それも、独身貴族のヒューらしく、子供は認知しているものの、母親である30代の中国人女性とは、もうとっくに別れているとのこと。
うん、もうヒューだもん、それくらいがちょうどいい。
ビル夫は、ヒューのこのは、とにかく嫌いらしい、、あの喋り方、そして、最近の映画では同じ役しかしない、おそらく多くの英国人男性にとって、「いらつく男」の代表格がヒュー・グラントなんだと思う。
一緒にテレビを観ていて、ヒューが少しでもテレビに映ると、「彼と一緒の部屋にいたくない、僕が部屋を出て行くか、それとも、ヒューが出て行くか」と究極の決断を迫るビル夫。
結局、ビル夫が部屋を出て行って、私がヒュー出演のラブコメを楽しむのがいつもの落ち。
そんなビル夫に、「見直した」と言わせたのが、今回、タブロイド紙 News of the Worldの盗聴事件で見せた、ヒューのメディア・キャンペーン。
News of the Worldは、卑劣にも、殺人事件やロンドンテロの被害者を盗聴。
また、多くのセレブリティーも盗聴された。
多くの人の心を傷つけ、ジャーナリズムの根源を揺るがす事件となり、社会問題とまで発展した、今回のNews of the Worldスキャンダルは、170年近く続いた、伝統タブロイド紙を廃止まで追い込んだ。
まだまだ、事件の捜索が続くなか、自分も盗聴の被害者であるヒューは、今回の事件の真相を伝えるべく、メディアの前でキャンペーン実施、国会では、証人として出席した。
ヒューは、News of the Worldの盗聴に関わったジャーナリストを、パブで、「逆盗聴」して、その内容を、Left-wing な政治雑誌New Statesmanに発表。
何よりも、ヒューの発言は、とにかく「articulate」だった。
説得力に満ちて、端的に、時には攻撃的にも、自分の視点を述べた彼の言葉には、今回多くの英国人が共感した、、
News of The Worldの盗聴に関わったジャーナリストに対して、「攻撃」モードのヒューの動画をアップします。
もう、かなりおじさんになっちゃったけど、ますます、ファンになった!

P.S.「ブリジット・ジョーンズの日記」で、ブリジットの巨大パンツを見て、ヒューが放った一言、「Hello mummy!」は、台本にはなく、彼のアドリブだったらしい、、!

2011年11月3日木曜日

BBC4 ドキュメンタリー「Perfume」


BBCのドキュメンタリーチャンネルの、BBC4で、「Perfume」という、とても面白いシリーズが始まったので、英国在住の方にお知らせします。
その名の通り、「Perfume」こと、香水業界の裏側に迫ったドキュメンタリー。
第1回目は、パリの高級香水ブランド、Guerlain(ゲラン)の香りがどのように生まれるか、元オーナー、Jean-Paul Guerlain による人種差別発言による商品ボイコット、また、世界の香水ビジネスの舞台裏、などなど。
ドキュメンタリー内では、発言内容には触れなかったけど、これだけの地位のある立場にある人が、テレビでこのような差別発言をしたことには、正直驚いた、、社会的責任にあまりにも欠けている。
私も、ブログ上では書けないので、内容は、ここWikipediaを参照してください
シリーズもので、現在、2回目が、BBC iPlayerにアップされています。
リンクは、ここをクリック
普段は、テレビはあまり観ないのだけれど、BBC4の放映ドキュメンタリーだけは、iPlayerで、小まめにチェックしています。
このレベルのドキュメンタリーを制作するBBCは、やっぱりさすがだな、と思う。
あぁ、日本に住む姉に是非見せてあげたいドキュメンタリー、、お見逃しなく!

2011年10月29日土曜日

コレクションに仲間入り、、


これは、私の趣味、ということになるのかな、、ビンテージポスターの収集。
別に、集めるのが趣味なのではなく、ビル夫と一緒に、好きだと思ったポスターをちょこちょこ買い集めていたら、それなりの数になってきた。
ネットやディーラーさんから、画像だけを見てポスターを購入するのだけど、実際にポスターを手にした時は、なんとも言えない感動がある、、
古い紙の匂いを嗅ぎながら、一瞬、そのポスターが印刷された時代にタイムスリップする、、
当時の印刷技術、色ののり方、ポスターの隅に書かれているデザイナーや印刷会社の名前などをじっくり観察する、、
コンピューターがなかった時代のポスターって、イラストが、芸術作品としての価値がある。
あと、何より、ポスターは、Affortable(値段が購入しやすい)ということ。
私が買うポスターは、だいだいいつも、ZARAのワンピース1枚分くらいの値段、、アート作品購入だとこうはいかない。
と、今回、私のコレクションに仲間入りしたポスターがこれ、 1956年に印刷された、Den Permanenteという、コペンハーゲンにあったデザインショップのポスター。
ちょっと調べてみると、このDen Permanenteというショップは、1989年に閉店したものの、デンマークのモダンデザインに多大な影響を与えた作品を多く取り扱ったことで知られているらしい。
確かに、ポスターにも、デンマークデザインを代表する作品が描かれている。
何より、好きなのは、この人魚、、まさにデンマークのシンボル、また、色合いもなんとも美しい。
ディーラーさんからは、実際の色は画像よりもっと鮮やかだと言われた。
大判の、60x90cmのポスター、、来週の自宅到着が待ちきれない!

2011年10月26日水曜日

ロンドンお薦めスポット

最近、ロンドンのお薦めスポットを教えてほしい、というメールを立て続けに貰ったので、せっかくなので回答をアップしようと思います。
今回は、建築・インテリアの分野でのお薦めスポットをアップしたいと思います。


2 Willow Road by National Trust
1939年にモダニズム建築家、Ernö Goldfinger によって設計された住宅であり、彼自身が住んでいたアパートが一般公開されています。
戦前の30年代にデザインされたこの住宅で、人々の新しい生活スタイルを提案したGoldfinger、、
家具やドアノブも全てGoldfingerによるデザイン、、ここは、私としてかなりお薦めです。
現在は、ナショナル・トラストに管理されています。


20 : 50 by Richard Wilson @ Saatchi Gallery
英国人アーティスト、Richard Wilson による、空間インスタレーション。
部屋中に注がれた油が、天井を完璧に反射する、、一瞬、自分がどの空間に属しているか、疑ってしまう、、
 Richard Wilson の代表作で、現在、Saatchi Gallery で常設展示されています。


B&B ITALIA on 250 Brompton Road
イタリアの家具のトップメーカー、B&B ITALIA のショールーム。
先日、インテリアデザイナーの友人と訪れたのだけど、あまりの素敵なショールームにびっくり、、
贅沢な空間、そしてそこに並ぶ美しい家具、、Chelsea地区の散歩がてらに是非立ち寄ってみてください。

2011年10月23日日曜日

Festival of Britain:フェスティバル・オブ・ブリテン

Festival of Britainのポスター

とても興味深いドキュメンタリーを見たので、ブログで紹介しようと思います、、
BBC4制作による、「The 1951 Festival of Britain: A Brave New World
1951年にロンドンで開催された、Festival of Britainの当時の様子や、準備の裏側に迫ったドキュメンタリー。
廃墟がいたるところに残り、住宅の再建など、国の復興が一番の課題だった1951年に、人々の「心」の復興のために、このFestival of Britainが開催された。
今では、国際的なコンサートホールとして知られるRoyal Festival Hallがメイン会場だった。
英国が世界に誇るテクノロジー、そして、これからの未来の新たな生活スタイルの提案、、
国民の気分を一新するお祭りでもあり、また社会復興に向けたエキスポだった。

会場の様子
写真中央は、展示の目玉であったSkylonというオブジェ

Festival of Britainで、英国を代表するプロダクトデザイナー、Robin & Lucienne Dayは、戦争で白黒になった世界に、「色」を提案した、、
先日、わが街、Ealingで開催されたRobin & Lucienne Dayの回顧展を観て来たけど、庶民に手が届く価格で、質の良いデザインを、という信念のもと、時代が求めているものを具現化した、Robin & Lucienne Dayのデザインは、まさに、英国モダンデザインの原点だと思う。
私の中で、すこしぼやけていた50年代の英国の姿が、このドキュメンタリーと、展覧会を観た事によって、かなり鮮明になった、、

Lucienne Dayのテキスタイル・デザイン
このデザインは彼女の代表作

外国人は、英国人のプライドの高さは、大英帝国時代の名残りからだ、とよく言うけど、
私は、勝戦国ながら、国がボロボロになり、戦時中も含め、配給が14年も続いた英国、、その苦しさ・辛さを乗り切って発展を遂げた、英国人の忍耐から来ているのではないのか、と思う。
残念ながら、このドキュメンタリーのリンクは切れてしまっているけど、再放送があることを願っています。

2011年9月27日火曜日

「LUCIAN FREUD PORTRAITS 」


最近、アートの展覧会を観てないなぁ、と思っていたところ、地下鉄でこの展覧会のポスターを見かけた、、ナショナル・ポートレード・ギャラリーで開催される展覧会「LUCIAN FREUD PORTRAITS 」
LUCIAN FREUD は、ご存知かもしれませんが、今年7月に亡くなった、ポートレートを得意とする、英国人画家。
英国を代表する画家というだけあって、亡くなった時は、こっちでは、かなりのニュースになった。
私も、彼の作品には、ちらほら触れていた、、学生時代、テート・ギャラリーでアルバイトをしていて、モダン・アートに関しては、贅沢にも、バイトの休み時間に、ふふーん、と、何のプレッシャーも感じずに、かなり鑑賞した、、
そんな訳で、テート・ギャラリーには、もう50回以上足を運んでいます、、
LUCIAN FREUD の作品は、やや冷ややかな体温を感じる質感のテクスチャーであったり、その対象の生々しさだったり、作品の前で感じでいた、、
私の中では、決して、好きな画家ではないけど、何か惹かれるものがあった。
作品としては、数点しか鑑賞したことがなかったので、この機会に、是非彼の作品をしっかり観にいきたいな。
展覧会は、来年の2月から、、ものすごい人気の展覧会になりそう。
私の学生時代、モネ展がRoyal Academyで開催されたのだけど、盛況を見越してか、24時間オープンという異例の展覧会だった。
私の友人が、なんとか予約が取れたチケットは、朝3時だった、、
今回は、24時間ではないけれど、かなりの混雑が予測されそうな、この「LUCIAN FREUD PORTRAITS 」
今回は、ひとりで、ゆっくり平日に観にいく予定です。

2011年9月25日日曜日

ちょっぴりキッチントーク:100% DESIGN


大変ご無沙汰していました、、記事をアップしようと思いつつ、前回の記事から結構な時間が経ってしまった。
先週から、ロンドンは、デザインウィークで盛り上がっています、、先週、100% DESIGNに足を運んできました。
正直なところ、100% DESIGNの英国での評判はあまり良くない、、
私の中でも期待度がかなり低かったのだけど、とても素晴らしい商品を発表していたキッチンスタジオがあったので、紹介しようと思います。


その名は、Robert Timmons Furniture、、ドア材やヒンジなどは、プロジェクトごとに、オーダーして、高級なキッチンをテーラー・メードで製作。
今回の展示のアイランド・キッチンを見たけど、質は、最高だった、、
キッチン・デザイナーの友人2人とドアや引き出しを開けまくり、とにかく観察したけど、このレベルでキッチンを製作しているメーカーさんって、あまり思いつかないくらい、「品があり、美しいキッチン」で、とにかく感動した。
ドア材、ヒンジ、取り付け、ディテール、全ての点に置いて、その質はパーフェクトだった。
もうひとつ感動した点、それは、値段、、展示商品の販売価格が、65,000ポンド(約900万円)、、英国の相場からしたら、余裕で100,000ポンド(約1400万円)で販売できる質だった。
アプライアンスは、全てガゲナウのトップエンド、天板は、一部に、伊ステンレスメーカーのFOSTERが使われているし。


オーナーのRobertさんと話をしたけど、かつては、高級キッチンの取り付け業者さんをしていて、それから、自分のビジネスを立ち上げたとのこと。
話を聞いて納得したのは、家賃が高いショールームもないし、高級メーカーの名前も持たずに、とにかくコスト削減に努めているとのこと、、なるほどね。
システムキッチンの世界って、名が知れたブランドでも、実は、自社工場を持っているところが意外と少ない、、ブランド名を前面に押し出しながらも、ドア材や箱は、外注して、組み立てのみを行っている、、そんな、メーカーは結構多い。
そんな中、Robert Timmons Furnitureは、中間経費をとにかく削減して、質のいいキッチンを、リーゾナブルに提供している。
ビジネスとしても、とてもいい形のキッチンスタジオだな、と思った。

2011年9月11日日曜日

フィッシュケーキ


今週末は、のんびり自宅で過ごしています。
今朝は、久々に日本の友人とスカイプでお喋り、、あぁ、楽しかった。
本当は、ブログに書きたいネタがたくさんあるのだけれど、うまく文章が進まず、ちょっと更新を怠っていました。
せっかく時間がある週末だからと、ワインを飲みつつ、フィッシュケーキをたくさん作った、、
フィッシュケーキとは、英国料理のひとつで、魚のコロッケのこと。
お魚文化の日本で、とても好評を得そうなレシピ。
ただ、日本の様にたっぷりの油で揚げずに、少しの油で、揚げ焼きにするかんじかな。
ちゃんとしたレシピは、ココをクリック
今回は、中身に、タラの燻製、ゆで卵、パセリ、ケイパーなどなどを入れて作った。
私は、日本風に、たっぷりの油で揚げる予定。
こちらでは、タルタルソースとレモンを添えて、頂きます。
25個も出来ちゃった!
今週は、ずーっと、このフィッシュケーキを食べていそう、、

2011年9月3日土曜日

Sloane Rangerを観察に


あぁ、ようやく週末、、今週末は、ひとつ展覧会を観にいく以外は、何も予定を入れていないので、ゆっくり休息の予定。
今週は、長年の友人でもある、英国人の友人と一緒に飲みにいった。
友人のお気に入りのパブ、Fulhamにある、The White Horseに行ったんだけど、会話は楽しかったけれども、パブとしては、うーん、興味深かった(笑)
以前にもブログでアップしたけど、The White Horseでは、美味しいサンデー・ローストが食べられることもあり、日曜日には、ちょくちょくお邪魔していたけど、平日はまったく雰囲気が違う、、
職場が近いし、また、私もChelsea College of Art & Designで勉強したので、このあたりは、私のテリトリーになるんだけど、平日にThe White Hourseに行ったのは、何年ぶりかも。
このパブは、Sloaney Ponyと呼ばれ、典型的な英国のアッパークラス・アッパーミドルクラスの若者、Sloane Rangerが集うパブとしてとても有名。
Sloane Rangerの語源は、ロンドン南西部の高級住宅地、チェルシーの地下鉄駅、Sloane Squareから来ていて、出没エリアは、Kensington地区、Chelsea、Fulhamで、裕福な家庭出身で、パブリック・スクールといわれる、プライベートスクールに行き、大学は、基本的には、Oxfordもしくは、Cambridge卒業。
そうでなければ、Bristol、St Andrews、Durhamなどの出身。
ファッションとしては、男性は、ピンクなどのカラフルなチェックのシャツを着て、Barbourなどのブランドを好み、女性は、パシミアにブロンドヘアー、、
詳しくは、ココ、Wikipediaに載っています
また、高級誌ガーディアン紙にも、関連記事が掲載されています
始まりは、ファッション誌、Harper's BAZARが、結婚前のダイアナ妃を、Sloane Rangerと呼んだことに由来する。
あまりにも、みんながみんな、同じアクセントの英語、ファッションで、仕草で、ちょっぴり引いてしまった。
やっぱり、自分と似た環境で生まれ育った人に囲まれている方が、居心地がいいという事なのか。
私としては、社会のある一定の層の人達に囲まれているのは、あまり好きじゃない、、というか、ソサエティーとして、健康的じゃない気がする。
ただ、英国文化のある一面を観察するには、行って見ると、面白いパブなのかも、、
平日、木・金曜日がお薦めです☆

2011年8月29日月曜日

グラスゴーお土産セレクション

グラスゴーで買ったお土産を紹介します。


◎スコットランドの名産品、Walkers のショート・ブレッド(バター・クッキー)
Walkers のこの缶シリーズは、空港でしか販売していない、、
この缶が可愛くて、いつも私の日本へのお土産の定番商品、、他のデザインもあり。
今回は、自分へのお土産、、Scottish Piper も早速、自宅のキッチンでくつろいでます。


◎Tunnockティーケーキ柄のTシャツ
これは、ビル夫へのお土産、、スコットランドで長年親しまれている、Tunnock
ティーケーキをモチーフにしたTシャツ。
Glasgow School of Art でテキスタイルデザインを学んだ、Gillian Kyleによるプロダクト。
マグカップやエプロンなど、他の商品もなかなか可愛かった。


◎写真集「Glasgow 1955: Through the Lens」
1955年に、グラスゴー市が、街の記録として、アマチュアの写真家に、グラスゴーの日常を撮影して欲しいと依頼したプロジェクト。
重工業でグラスゴーに勢いがあった時代の、庶民の日常を捉えた貴重な写真の数々。
60年代以降、産業は急激に衰えていく、、だけど、この写真が撮られた時は誰も、その時代の変化を予期していなかった、、


◎The Scottish Colourist、Francis Cadell のプリント
今回訪れた、Huntarian Museumで観た、The Scottish Colouristの作品に感動。
深い色合い、コントラスト、、美しかった、、
フランスの印象派に影響を受けながら、独自のスタイルを確立した The Scottish Colourist、、
60年代にアート学生だった叔父さん曰く、当時は、The Scottish Colouristの作品は、数百ポンドで購入できたのだとか、、
今では、貴重な作品として、ミュージアムで展示されています。


◎スコットランド地図のティータオル
Pound Shop(全てが1ポンドの、100円ショップのようなもの)で、購入したティータオル。
料理をしながら、スコットランドの地図を勉強しようと思って。

I LOVE GLASGOW - グラスゴーの魅力


8月末の連休、2泊のグラスゴー休暇から帰ってきました。
明日から住みたいくらい、とても大好きな街、グラスゴー。
ビル夫の叔父夫妻が、金曜日の夜にグラスゴー空港に到着した私を迎えに来てくれた。
グラスゴー大学、植物園に程近い、West Endと呼ばれる、グラスゴーの閑静な住宅街に叔父夫妻の自宅がある、、ビクトリア時代に建てられた、Tenementと言われる、美しいアパート(日本語でいう、マンション)が立ち並ぶ。


アート・デザインの名門であるGlasgow School of Art出身の叔父夫妻、、センスのいい自宅を見ると、いつもため息が出る、、
自宅に到着すると、お腹は空いてない?と、もう夜の11時過ぎながら、ティータイム。
チーズ好きの私の為に、近所のチーズ専門店から、スコットランド産のブルーチーズをわざわざ買っていてくれた。
叔母が、グラスゴーでは、静かにバス停でバスを待っていられないと、、誰かが絶対に話しかけてくるらしい。
グラスゴーの人達: glaswegianは、陽気で、お喋り好き、叔母曰く、やじ馬根性で、他人の事を色々と知りたがるらしい、、
そんなわけで、私たちも、美味しいチーズを食べながら、朝1時までお喋りが止まらなかった、、


エジンバラが京都だったら、グラスゴーは、大阪といったところか。
距離的にも、人の雰囲気も、社会的にも、とても似通っている。
人もそうだし、もうひとつ私がグラスゴーが好きな理由、それは、とてもクリエイティブな街だということ。
今回は、モダンアートに多大な影響を与えた、Glasgow Boys、The Scottish Colourists の絵画に触れ、マッキントッシュがデザインした、Glasgow School of Artも見学してきた。
作品を見ながら、胸の奥で、じんわりと、作品に吸い込まれるような感動を覚えた。
そして、友人でもあり、グラスゴーを拠点に活動するジャズミュージシャン、Raymond Harrisにも再会、、今秋にアルバム2枚をリリース予定で、日本でもリリースされるということ。
サイン入りのアルバムまでプレゼントしてくれた。


私は、この街の人が好き。
ロンドンよりも、人の心がもっと裸に近い気がする、、何より、人がsympathetic(情が厚い)ということ。
Glasgow Boysの絵画にも、Glasgow School of Artにも、彼らが思いを馳せた、日本文化の影響があちらこちらに見られた。
グラスゴーの人達のやじ馬根性、いや、ハングリーなくらいの、人への好奇心、まわりの世界への好奇心がこの街のクリエイティビティーに繋がっているんだと思った。
今回の旅では、ロンドンに長く住んでいて、他人に対して警戒心が強くなっている自分に気付いた。
まだまだ、グラスゴーを見きれていない、、また、旅行の計画を立てなくちゃ。

2011年8月22日月曜日

The Rutles:英国のユーモア


日曜日に、ビル夫の長年の友人が自宅に遊びに来た。
前回会ったのは、1年前以上になる、、ノースハンプトンで、音楽の教師をしている彼は、マイルドなユーモアのセンスの持ち主。
静かに、ぼそりと面白いことを言う彼とは、いつもお喋りを始めると止まらなくなる。
夕食後、ビル夫と彼が、パソコンでThe Rutlesの映像を見て、げらげら笑っていた。
The Rutles(ザ・ラトルズ)とは、モンティ・パイソンのメンバーだった、エリック・アイドルが出演した、ビートルズのパロディ・バンド。
ビートルズの曲や歌詞を、ユーモアたっぷりに編曲、、かなり手が込んでるんだけど、今こんなことしたら、著作権で訴えられそう。
日本にも、ファンが多いみたい、、詳しくはココをクリック
この、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのパロディー、あぁ、面白かった、、久々にこんなに笑ったかも。
これが、まさに英国のユーモアだな、、英国お得意のドイツx戦争ネタだし。
と、ちょっと解説しずらいので、映像だけアップします。

2011年8月20日土曜日

ブラッド・ピット in Glasgow


最近、ブラッド・ピットが、最新作の撮影で英国に滞在中で、ちょっぴりお茶の間の話題になっている、、って、まぁ、私のまわりだけかな(笑)
アンジェリーナ・ジョリーと子供たちも一緒に滞在していて、ロンドンでは、南西部の閑静な住宅地、リッチモンドの邸宅を借りているのだとか。
数日前は、ブラピ家族が、列車を貸切って、撮影場所であるグラスゴーに向かったと、写真付きで、新聞に大きく載っていた、、さすが、ビッグスターはやることが違う。
ちなみに、ロンドン-グラスゴー間で、£40,000(約560万円)で列車を貸し切ることが出来るらしい、、
写真を拝借したDaily Mail紙では、現地でブラピのお世話をしている女性が話題になっているけど、私が面白いな、と思った事は、このシーンは、フィラデルフィアの設定だということ。
グラスゴー市内の撮影現場では、イエロー・キャブ、警官、を投入して、道路標示も変え、さながら、アメリカの都市に変貌したグラスゴー。


道幅の広さや、建築のスタイル、そして、碁盤の目のような街並みがフィラデルフィアの街に似通っているから、グラスゴーで撮影が決まったとのこと。
私は、スコットランドに家族がいるので、グラスゴーやアバディーンなど、スコットランドを定期的に訪れるけど、スコットランドの建築は、イングランドと全く違うスタイルだということ。
特に、都市の中での建物のスケール、壮大さでいえば、イングランドは、スコットランドには敵わない。


また、建築に使われている石や、装飾なども全く違って興味深い。
ロンドンでは、例えば、オックスフォード・サーカスとピカデリーをつなぐ、Regent Streetでは、都市計画で知られた建築家、John Nashによる、道幅が大きな、計画されたストリートが見られるけど、他はあまり思いつかない、、
この話をアバディーンに住む、義理の母、フランシスと話していたら、アメリカの小説家、Edith Wharton原作による、映画「The House of Mirth」(2000年)のNYのシーンも、グラスゴーで撮影が行われたのだとか。
来週末の連休は、グラスゴーに滞在予定で、ビル夫の叔父夫妻にグラスゴーを案内してもらう予定なので、建築・歴史など、色々話を聞いてみようと思う。
ブラピにも遭遇できるかな~

2011年8月18日木曜日

またひとつ


昨日、またひとつ歳とりました。
母から届いたカードには、「サンサンの年で、昔は、貴方が結婚して、ロンドンに住むなんて夢にも思っていませんでした。」と書いてあった。
私が生まれた年は、水不足の年で、知り合いから届いた水で、私の布オムツを必死で洗ってくれた母、、確かに、私にとっても、この人生は想定外!
日本とスコットランドの家族からお祝いのカードとプレゼントをたくさん貰った。
職場では、Birthday Girl(Lady?)の私が日本食を作って、同僚がプロセッコ(イタリアのスパークリング・ワイン)とケーキを買ってくれて、お祝いの歌まで歌ってくれた!
同僚のリクエストに応え、朝5時に起きて、おにぎりを握ってきた、、写真は、そのランチの様子。
ビル夫からは、朝起きると、前回ブログにアップした、展覧会London Street Photographyの写真集とカードを貰った、、夜は2人で外食。
いつも私の事を想ってくれる家族・友人に囲まれた人生をありがたく思う、、

2011年8月12日金曜日

Social Confidence: ソーシャル・コンフィデンス


ロンドンの暴動はなんとかおさまったみたい、、安心した~
今回の暴動の件で、私の事を心配してくれた、日本にいる友人からたくさんのメールを頂きました、、本当にありがとう!
いつもどおり、職場最寄り駅のSouth Kensington駅に到着。
母からこういったのが無駄使い!といつも言われるのだけど、駅前の、サンドイッチ・チェーン、Pret A Mangerでコーヒーをテイク・アウェイ、、毎朝、このコーヒーを飲みながら、色々と思想に耽るのが日課になっている。
と、コーヒーを片手にPret A Mangerを出ると、The Big Issueのベンダーさん(販売者)が。
The Big Issueは、英国発祥の、ホームレスの社会復帰を目的としたチャリティー団体。
ベンダーさんが、The Big Issueの雑誌を2ポンド(約300円)で販売し、半額の1ポンドが手元に残るというビジネスモデル、、日本でも、The Big Issueが販売されている。
早速、50歳くらいの男性のベンダーさんからThe Big Issueを購入。
英国に来て、特に思うようになったこと、それは、Social Confidence [ 社会で成功する為の自信 ]は、自分の境遇だったり、生まれ育った環境に寄るところがとても大きいということ。
親に愛されて育ったり、経済的に恵まれていたり、教育などの人生のチャンスが与えられたり、、そういった人の方が、親に虐待されたり、経済的に苦労したり、自分が望んだ教育を受けれなかった人よりも、Social Confidenceが大きいに決まってる。
階級社会の英国にいると、Social Confidenceの格差をつくづく感じる。
よく、恵まれた環境で育った、Social Confidenceに満ち溢れている人が、あたかも、全て自分の努力で成功したように、私に話してくる、、いや、もうちょっと自分に与えられたチャンスに感謝してもいいんじゃないかと思う。
今朝出会ったベンダーさんも、自分がなりたくてホームレスになったはずがない、、難しい境遇があったんだと思う、だけど、今ポジティブに社会復帰へ向けて頑張ってる。
すぐに愚痴を言いがちな私だけど、日々、感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい。

2011年8月9日火曜日

ロンドンの暴動


週末に始まったロンドンの暴動は、日毎にエスカレートしている様子、、心配だな。
今日は、職場を4時に早退して、自宅待機。
私のように、安全の為、早めに仕事を切り上げた人も多かったみたい。
ロンドン市内各地で暴動が起きてるけど、昨晩、我が街イーリングでも、暴動があった。
Old Ealingと呼ばれる、イーリングの中でも、一番美しく、閑静な住宅街で。
かつて友人が住んでいた、Old Ealingにあるフラットが全焼して、写真が新聞の一面に載っていた、、どうやら火炎瓶が投げ込まれたみたい。
友人を訪ねて、何度も訪れた場所だけに、とにかく悲しい。
私の家のすぐ近くでも暴動が起きて、夜中にサイレンの音を聞いたかと思ったら、朝、私の自宅の同じ通りにある車が全焼していた、、
明確な動機がないこの暴動に対して、本当に憤りを感じる、、
事態が早く収束することを心より願っています。

2011年8月7日日曜日

バルセロナから帰国しました。


今朝、バルセロナから帰国しました。
いや~、一週間の滞在、最高に満喫しました!
今回は、サグラダ・ファミリアから徒歩15分くらいの、ユネスコ世界遺産に指定されているHospital de Sant Pau(サン・パウ病院)の目の前のアパートに滞在。
バルセロナの中心地ながら、地元の人が普通に生活をしている住宅地で、スーパーや八百屋さん、お魚屋さんがアパートから徒歩5分圏内にあり、とても生活がしやすかった。
写真はアパート近くからの眺め、、奥に見えるのがサグラダ・ファミリア。


今回は、ほとんど観光地には、足を踏み入れずに、市内を散策したり、モダニズムの建築を観たり、アンティーク・マーケットに行ったり、、という日々を過ごしていました。
今回は、アパートのミニ・キッチンでほとんど自炊。
簡単な料理しか作らなかったけど、毎日食べていたのが、この写真中央のPimentos del Padron、、しし唐のようなもの?
昨年のサンセバスチャンで食べて以来、はまってしまった、、オリーブ・オイルで素揚げして、塩を軽く振って食べるんだけど、ちょっぴり苦味があって最高に美味しい。


朝食後は、近くのカフェで、サグラダ・ファミリアを眺めながら、美味しいコーヒーを飲み、夕食後は、サン・パウ病院前のバーで、日が暮れるまでのんびりビールを飲んでいました。
バルセロナって、大都市なのに、なんでこんなに人がフレンドリーで親切なんだろう、と思うくらいこの街の人が好き。
また、カタルーニャ文化のクリエイティビティーの凄さにも触れた滞在でもありました、、次回のブログにアップします。

2011年7月28日木曜日

英語でのコミュニケーション:英国で働くということ


好評の連載シリーズ(笑)、今回は、英国で英語を使って働くということについて書いてみようと思う、、
英国で働くこと、特に、ロンドンで働くということは、英語という共通言語を使って、世界各国の人達と仕事をする、ということだと思う。
もちろん、職種にもよるけど、私の場合は、職場において、クライアントさんや取引先の中で、英語を母国語とする英国人の割合は、半分くらい、、もしかしたら、半分以下かも。
Multicultural(多文化主義)と言われるロンドン社会で、私も、第二言語の英語で仕事をしている多くの人達のひとり。
最近だと、中近東、ロシア、アフリカからのクライアントさんが増えてきた。
普段は、イタリアを筆頭に、ドイツ、オランダ、デンマーク等の取引先と日常的にやり取りをする。
こっちで、私のパートナーとして仕事をしている施工業者さんは、リトアニア出身。
彼のアシスタントは、全員が旧ソビエト連邦の出身、、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどなど、、彼らは、共通言語であるロシア語でやり取りをしている。
こういった環境の中、私が普段気をつけてることは、シンプルな英語で明確なコミュニケーションをとる事。
特に指示を与える場合は、とにかく短い文章で、一般的な単語を使うように心掛けている。
今日も、ドイツの業者さんとちょっぴりコミュニケーションに引っかかった、、フランス語圏担当のドイツ人の取引先の女性が、同僚のピンチヒッターで、私に電話をしてきた、、フランス語ほど英語は流暢でないらしく、英語が上手に話せない事を謝りながら、ゆっくり喋る、、必死な表情が電話越しに見えそうだった。
お互い、行き詰まったら、会話を巻き戻し、また話して、また巻き戻し、、簡単な確認をするのに20分くらい電話で話した。
最後に、彼女は、Everything is OK!と言って、笑って電話を切った、、こういったやり取りはいつものこと。
私にとって、コミュニケーションに於いて大切なことは、相手に対してリスペクトを持って接すること、、リスペクトがあれば、言語の壁も超えることができると思う。
決して容易なことではないけど、世界各国とのコミュニケーションも、ロンドンで仕事をする醍醐味のひとつだと思う。

PS 写真は、ユーロスター発着駅、セント・パンクラス駅にて。

2011年7月26日火曜日

ようやく1周年


ブログを開始してから、ちょうど1年が経ちました。
文章を書くのが苦手な私が、ブログをおそるおそる始めたのが1年前、、なんとかまだ続いていています(笑)
私の頭の中を巡る思いや情報を文章にすることが、私の日常になりつつあります。
この間、読者の方からコメントやメールを頂き、パソコンの向こう側にこのブログを楽しみにしてくれている人がいるんだと、大いに励まされました。
また、家族や友人に、「ブログ読んでるよ!」と言われるととにかく嬉しいです。
写真は、前回、帰国した際に訪れた、福岡櫛田神社のイチョウの木。
博多祇園山笠は、ここ櫛田神社の奉納祭事のひとつ。
樹齢1000年以上のこの木を眺めながら、私が普段色々と思い悩んでいることなんか、とてもちっぽけなことに思えた、、とにかく、なんでも続けて頑張ってみようと!
これからも、designbeelondonブログを宜しくお願いいたします。

2011年7月19日火曜日

英国キッチンメーカー:Plain English


ちょっぴりキッチンネタを。
私は、普段は、モダンなキッチンを担当している、、超がつくらいモダンでシャープなキッチンを手掛けることもしばしば。
英国で、システムキッチンといえば、ドイツもしくはイタリアメーカーが優勢だけど、英国製キッチンメーカーの需要も結構大きい、、いわゆるカントリースタイルのキッチン。
最近、インテリアデザイナーさんや、建築家からよく聞くメーカー、それが、英国メーカー、Plain English


カントリースタイルながら、デザインはとても洗練されている、まさにクラシック・モダンと言った感じ。
他のカントリー・スタイルのキッチンメーカーよりも、装飾をかなり削り取っているし、レイアウトもかなりシンプル。
色合いは、まさに英国な、Farrow & Ball なテイスト、、こういったちょっぴり鈍い中間色が、今の英国でとても流行ってる。
経済状況の厳しさに比例して、人って、インテリアに、こういった柔らかい色だったり、フォルムに曲線を求めたりするんだと思う、、


全て英国製でハンドメイド、お値段は、600万円から。大きなキッチンだと、1000万円近くはいくんだと思う。
Boffiやbulthaupほどのトップな金額ではないけど、英国ではトップ・エンドのキッチンメーカー。
ショールームが、トレンド発信地のイーストエンド、Shorditchにあるのも興味深い。
ちなみに、Plain Englishとは、まわりくどい言い方を避け、シンプルな表現で、明確に伝わる英語のこと。
カントリースタイルがあまり好きじゃない私も、Plain Englishのキッチンはお家に欲しい、、私のカントリーハウスに、なんちゃって。
こんなキッチンで、のんびりスコーン作りに励んでみたい!

2011年7月17日日曜日

EYEWITNESS 写真展


週末ももうすぐ終わりか、、今週もロンドンはやっぱり天気が悪かった、、雨、雨、雨。
雨にも負けず!と、昨日は、ロイヤル・アカデミーで開催中のハンガリー出身の写真家の展覧会「EYEWITNESS」を観に行ってきた。
バラサイ、ロバート・キャパなど、、戦争で祖国を追われ、世界各地に飛び散った才能、、彼らは20世紀の写真文化に大きな影響を与える。
パリの街角で愛しあうカップル、家族と寛ぐシャガール、ハンガリーの出稼ぎ労働者の日々、ドイツ兵の子供を身ごもり、街中で観衆に去らされるハンガリーの女性、、どの写真も胸に響いた。
一番好きだったのは、ポスターの写真、、この構図の切り取り方はまさに感性だなぁ。
あと、最近、自分が、リアリズムの芸術作品に興味が向いていることがわかってきた。
写真とは、日常・非日常を写真家の視点で切り取った芸術作品であること、、今回の展覧会を観てあらためて感じた。
10月まで開催のこの展覧会「EYEWITNESS」、本当にお薦めです。